不動産、仮想通貨にも資金が流れる

株高の日本、アメリカ、イギリスよりもはるかに株価が上昇しているのが新興国。そのなかでもインドの株価指数は急上昇しています。

(写真=筆者撮影)

でも、そのインドとアルゼンチンを比べた場合、アルゼンチンの株価指数はインドの比べ物にならないほど上昇しています。

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「アルゼンチンは何度も債務不履行を起こしている、投資リスクの高い国です。ところがそこにもどんどんお金が流れている。それがここ最近の世界の株式市場の特徴です」

債券、不動産にもお金が流れています。

「香港ではテスラ社のスポーツカーが1台入る程度のマンションの部屋が5000万円するという、皮肉めいた記事がありました」

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ちなみにニューヨークの平均マンション価格は2.7億円。日本でも、マンション価格は上がっていますが東京23区の一戸あたりの値段は7000万円ほどです。

上がっているといえば、忘れてはならないのが仮想通貨です。

「仮想通貨は2009年から取引が始まり、色々な要素がありますが去年急速に価格が上昇しました。下落しているものの、例えば去年の今頃と今年を比べると価格は6倍です。ここでも行き場がなくなったお金が、結果大きなリスクを取っていることがわかります」

結局はファンダメンタルズで判断

(写真=筆者撮影)

本来のファンダメンタルズから離れて上昇している資産は、いつか下落します。でもどれがバブルかは意見が分かれ、過ぎてからでないと誰にも分かりません。バブルを招く原因を探る方法としては、行動経済学などの分析も欠かせません。

「価格がなぜ行きすぎてしまうのか、なぜ上昇が止まって下落してしまうのか。人のメンタルの面に注目した色々な研究も行われています。株式市場は、基本的には企業が業績を上げていけば、デフレといった影響がなければ上昇していくものです。それが大きく崩れる暴落を回避するということが鉄則なわけですが、チャートだけで見るのは難しく、さらに色々な心理バイアスもあります」

(写真=筆者撮影)

結局、暴落しても、ファンダメンタルズの強い市場、銘柄は価格が戻ってきやすいので、そういったときに投資機会があるといえます。

「ではどんな銘柄がファンダメンタルズに強いのでしょうか。それについては益嶋が様々な角度からお伝えします」

投資は「手段、でもおもしろい」

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続いて登場したのは同社マーケット・アナリスト 兼 インベストメント・アドバイザーの益嶋(ますしま)裕さん。大学生たちに伝えたいのは、投資はあくまでもお金を貯める「手段」、でも「おもしろい」ということだそうです。

「私がお客様にもすすめているのは、ハワード・マークスという方が書いた『投資で一番大切な20の教え』です。投資家のウォーレン・バフェット氏が推薦しており、投資を甘く見るな、ということがこの本の最初のメッセージです」(益嶋裕さん。以下、カッコ内は益嶋さんの発言)

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「ハワード・マークスさんのメッセージは本質的価値ということですが、これは先ほどお話した『ファンダメンタルズ』が関係してきます」