企業が利益を上げ続けることが大事

(写真=筆者撮影)

益嶋さんが示したのが、2010年からの日経平均株価と、一株あたりの利益であるEPSのチャートです。

「2013年以降は利益と連動して株価が大きく上がったことが分かります。私個人としては、アベノミクスによって円安が進み企業の利益が増えだしたからだと思っています。ちなみに2018年3月期日本企業の利益は史上最高です」

次に個別の事例として、学生に馴染みの深い回転寿司、ユニクロを始めとしたファストファッション、輸出企業の代表である自動車業界などの企業の、業績と株価の比較が行われました。

例えば、トヨタ自動車、日産自動車、スズキの自動車大手3社と日経平均株価の推移を比較したグラフでは、2017年まではほぼ同じ動きだったのに 2017年を境にスズキが上がり出しているのが分かります。

(写真=筆者撮影)

「理由は、3社の利益を比較してみると分かります。北米市場向けが多いトヨタや日産の株価は、伸びがいまひとつのところ、スズキは新興国で売上を伸ばして利益を出しており、それが株価に反映されているのです。ウォーレン・バフェットも、企業が利益を上げていることが大事だと言っています」

株価は長期的には業績に連動する

「株価のすごいところは、長期で見ると業績に連動していること。それがマーケットの一番面白いところだと思います」

未来を予測するためには企業の本質的な価値を分析することが大事ですが、それにはたくさんのことをしなければなりません。

「全部見ていくのは大変だと思いますので、自分の興味のある分野だけを見る、でもいいと思います。それによって視野が広がるのは、若い人にとってお金より価値のあることなのではないか、と個人的に思っています」

最後に益嶋さんは、「個別株投資が大変そうなら、投資信託という方法もありますね」と、投資信託でコツコツと資産づくりする方法もあると教えてくれました。

(写真=筆者撮影)