もちろん、制作サイドも計算の上で奇跡のベタドラマを生み出している。

「ドラマプロデューサーの中野利幸氏は、DVや性同一性障害を扱った『ラスト・フレンズ』(2008)や、当時いち早くTwitterを使った『素直になれなくて』(2010)など、話題作や問題作を作ってきた敏腕です。最近でも『ラジエーションハウス』シリーズや『金魚妻』(Netflix)を制作している。時代を先取る感覚を持っているので、今回の『真夏のシンデレラ』も緻密な計算をしてあえてダサく演出しているそう。ある意味、まったく新しい形のラブストーリーとしてテレビ業界でも話題なんです。平成ドラマのダサさを、令和の時代にどこまで見せられるのか注目です」(同上)

 ただの低視聴率ドラマでは終わりそうにない『真夏のシンデレラ』。ベタな展開を確認するためにいつの間にか同ドラマを観る習慣ができてしまうかもしれない。