舞台となるのは渋谷。美大を卒業した後、デザイン会社に就職した菜摘(吉岡里帆)だったが、職場にうまくなじむことができずに退職。今はアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」で働いている。このままアルバイト生活を続けるのか、それともデザイン業界に戻るのか。悩む菜摘の前に現れたお客が、ミステリアスな雰囲気を漂わせた佐保(モトーラ世理奈)だった。自由奔放な佐保の言動ひとつひとつが、菜摘は気になって仕方ない。

 もう1人の主人公となるのは、アイスクリーム店の近くにある銭湯に通う会社員の優(松本まりか)。疎遠にしていた姉の愛(安達祐実)のひとり娘・美和(南琴奈)が突然上京し、優のマンションで居候を始める。ずいぶん前に家を出ていった父親を探すつもりらしい。慣れない共同生活に戸惑う優だったが、姪っ子の父親探しを手伝うことになる。

 一見するとまったく関係なさそうな菜摘と優の日常生活だったが、意外なタイミングで2つの物語は軽妙にミックスすることに。見慣れていたはずの東京の景観がポップに切り取られ、甘くて淡いストーリーが奏でられる。