研「徹子さんお願いしますよ」
黒柳「どうして? おかしい?」
研「おかしくないですけど、もうちょっと言い方を変えていただけませんでしょうか?」
黒柳「どうして? だって孫があなたにそっくりだったからってさ、いいじゃない。私に似てかわいいんだなと思えば」

 研は「お願いしますよ」とツッコミのようなものを入れる。重ねて「もうちょっと言い方を変えていただけませんでしょうか?」とあえて丁寧にお願いする口調でトークを面白く脚色していく。が、黒柳は「おかしい?」ととぼけ、さらに「私に似てかわいいんだなと思えば」とさっきの発言のニュアンスとは180度違う話をしはじめる。あえてとぼけているのか、本気なのかもよくわからないこの感じ。というか、自分からわざわざ「初孫があなたと同じ顔だったらちょっとね」と言い直したにもかかわらずその直後にとぼけるってなんなのか。面白すぎるだろう。

研「ええ、私もそう思ってんですけど。違う感想を述べてますよね?」
黒柳「そうかな? それちょっとわかんない」
研「私はそう感じました」
黒柳「そう? ごめんなさいね」
研「いえいえ」

 研の「違う感想を述べてますよね?」というそれ自体は正当な指摘も、黒柳の「そうかな? それちょっとわかんない」の前では無力である。「わかんない」をきっかけに、会話は一気に収束に向かう。研が黒柳の言葉に感じたことと、黒柳が研への言葉で意図したこと、その間にどうやらズレがあったことが双方に確認された上で、黒柳から謝罪の言葉が述べられる。研がそれを受け入れる。ここで2人のトークは一件落着するかと思いきや――。