キンタロー。「普段、社交ダンスではやっちゃダメだと言われてることを全部やりました」

 5月23日と30日の2週にわたり、『ランジャタイのがんばれ地上波!』では「顔-1グランプリ」という企画が放送されていた。タイトルどおり、顔芸の面白い人を決める企画である。出場者は国崎に加え、アタック西本(ジェラードン)、ギフト☆矢野、そしてキンタロー。だ。

 キンタロー。はオープニンからフルスイングだった。顔芸の代表的な芸人としてコロッケの名前が共演者から出ると、眉毛を吊り上げて顎を少し出した表情をつくる。おそらく、コロッケが岩崎宏美のマネをするときの顔だと思うが、彼女は当然、指などを使わずに表情筋だけでその顔を再現する。

 さらに、キンタロー。はその表情で「コロッケだよ」と自己紹介する。岩崎宏美をマネするコロッケをマネして「コロッケだよ」と言う。どこにリアリティの水準があるのか。さらに彼女はその顔で「負けへんで! 絶対負けへんで!」と意気込む。なぜ関西弁なのか。そんな彼女の言動はひと言でいえば“むちゃくちゃ”なわけだけれど、その”むちゃくちゃ”さは圧倒的な顔面の上で統合され、大きな笑いを生む。

 先ほど、コロッケが岩崎宏美のマネをするときの顔を「再現」した、と書いた。が、その後の“むちゃくちゃ”さを見るに、それは再現ではない。デフォルメだ。そもそものコロッケによる岩崎宏美がデフォルメだから、デフォルメのデフォルメ。その意味で言えば、デフォルメのものまねを得意とするコロッケを、彼の芸風の根幹のレベルで正しくマネているとも言える。