お笑いの養成所なんかに行くと、講師を務める作家に教わることがある。

「自分がどんな人間かを知れ」
「自分の思っていることをネタにしろ」

 お笑いの養成所は数あるが、おそらく似たようなことをどこでも教わるはずだ。平たくいうと「自分のキャラクターを活かせ」という意味になるのだが、ほとんどの新人芸人はこれの意味がわからない。

「自分を出す?」
「俺が憧れた漫才師たちはそうは見えないけど?」
「好き勝手ボケてツッコむだけじゃないの?」

 自分をさらけ出すことと、漫才やコントが結びつかないのだ。

 6月25日に最終回を迎えたオードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太の半生を基にしたドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)では、「自分をさらけ出す」という言葉が何度も繰り返された。2人がどのように笑いを取る芸人なのか、どう成長してきたのか、が描かれた。