ところで偉い人がいるもんだなと思ったが、料理店というのはそんなに儲かるものか。

 大阪市箕面市に金とプラチナの延べ棒30キログラム、時価にして約3億円相当を寄付したのは、地元の料理人として一代で財を築いた中嶋夏男、87歳である。

 それ以外でも多額の寄付をしたところはあるそうだ。

 料理人として腕を磨き、箕面市に日本料理店「銀なべ」を開いた。その後、食品会社や精肉店などもやり、バブルがはじけても商いのピンチは一度もなかったという。

 酒もたばこもギャンブルもやらず、夫婦そろって倹約家。

 3階建ての家は息子に残すが、それ以外は、自分たちが生きていくだけを残し、あとは全部寄付するという。見事な終活だが、金の延べ棒か、一度でいいから持ってみたいものだ。