そして今回『キッズ漫才師』と『地方漫才師』に贈られる特別賞が新設されることで、そこを目標とするアマチュアが参加しやすくなる。エントリー数が増えれば、もっと大会が盛り上がって、大会の価値は高まるし、それに関わる“M-1ビジネス”も拡大していく。吉本としては、そこを狙っているのだと思います。1回戦のネタ時間短縮は、エントリー数が増えることを見越したうえでの措置だといえそうです」(同)

 M-1の大会規模の拡大を狙う吉本興業。なかでも「地方漫才師」に大きな可能性を感じているとの指摘もある。

「吉本では『あなたの街に“住みます”プロジェクト』と銘打って、所属芸人が日本全国に移住し、『住みます芸人』として活動しています。芸人たちが地域に根ざした活動をすることで、地元企業や自治体との関係も強まり、芸能系以外の事業にも食い込めるという点で、吉本にとっては旨味も大きい。この活動にM-1を絡めることができれば、さらにプロジェクトを盛り上げることができるわけです。M-1の『地方漫才師賞』が、吉本の“全国制覇”のための重要な一歩となる可能性もあるでしょう」(メディア関係者)

 この「地方漫才師賞」によってエントリー数が激増すれば、M-1グランプリの大会形式が一気に変更する可能性すらあるという。