魅力!
この「神無き世界のカミサマ活動」の魅力は、その「切り口」と「切り口を活かす舞台設定」に他ならない。毎話毎話の面白さもさる事ながら、全ての話の土台となる「初期設定の発想」がこの名作を生んでいるのである。
「異世界転生マンガ」というジャンルは、ネットマンガを中心にスタートし、たった数年で圧倒的速度で進化をしてきた。王道の「バトル系」から始まり、個人戦ではなく国と国との闘争となる「領地開拓系」、剣と魔法の世界なのに闘わない「スローライフ系」、主人公が今後起こる全てのストーリー展開を知っている「ゲーム内転生系」と、まるで大喜利の如く切り口の上に切り口を重ね発展していった。
しかしその中で「宗教の流布」をテーマの中心に据えた本作品は、他の何にも被らない新ジャンルを形成している。言ってしまえば「ウォーキングデッドって、“ゾンビに滅ぼされた世界”という設定を考えた時点で、もう勝ちだよね」という感覚に近く、初期設定の時点で本作品の面白さは確定しているのだ。
また「神無き世界のカミサマ活動」では、「宗教が無い世界」という切り口を十二分に活かす舞台設定が準備されており、読み進めるごとにこの世界の深淵を更に覗く事が出来るのも魅力。
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