◆全話を通じて完成する役柄
ああ、岩ちゃん。あなたは、とうとうここまでの俳優になったのだ(筆者は勝手に泣きそうです)。
2016年の映画初主演作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の公開からすでに7年もの歳月が流れている。
その間、彼は「EXILE」や「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」のパフォーマーとして日々体を張りながら、演技の世界でも果敢に挑戦を続けた。
『去年の冬、きみと別れ』と『Vision』が公開された2018年は、本人もたびたび語るように紛れもないターニングポイントになった。そこから新たな役柄を演じる度に新たな表情を見せる。“毎回が新境地”の稀有な人。
特に強い思い入れと演じ込みを感じる『あなたがしてくれなくても』の新名誠役は、2つや3つではない。5つも6つもの(いや、それ以上の)新境地を開いてみせた。
ドラマ全話を通じてやっとひとつの演技がはじめて完成、完結するような途方もない役柄を演じきったのだ。
放送を終えた今、ほのかな余韻を楽しみながら、岩ちゃんに心からの激励を送りたい。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu