ミレニアル世代の感覚と現代のトレンド

消費における時代の変化がある一方で、世代間における思考の変化もポイントとなります。

バブル経済が崩壊しはじめた1990年頃、ちょうどその前後に生まれた世代をミレニアル世代と呼びます。低迷する経済環境の中で育ち“景気が良い”という感覚はほとんど経験していない世代です。

ミレニアル世代が経験してきたのは、デフレ経済が長く続く中で、所得が大きく増加することを期待できないという状況です。そのせいか節約への意識が高く、貯蓄にも意欲的です。

モノを所有する場合は合理性、効率性を重視します。その中で消費において、前の世代とは異なる価値観を育んできているのです。

人と共有するという考え方

その価値観の1つが「シェアリングエコノミー」への共感です。シェアハウスやシェアオフィス、カーシェアなど場所やモノを共有することの価値はさらに拡大し、ここ数年でさまざまなビジネスが登場しています。

不要なモノを“捨てる”のではなく“他人とシェアする”と考えられるフリーマーケットのアプリ版「メルカリ」の躍進や、人気フードデリバリーサービスの「Uber Eats」は、手が空いている人が配達を代行する=労働力をシェアすると考えることができるでしょう。

モノを買う場所から、週末を過ごす場所へ

こうした価値観の変化を受けて、大手小売店の戦略も変化しています。

総合スーパーなどを展開するイオン株式会社は、数年前からコト消費を意識した店舗設計に取り組んでいます。その代表的な例が、アウトレットを主体とする新型ショッピングセンターの出店です。

複合映画館(シネコン)やスケートリンクを併設するなど、モノを売るだけではなくコト消費を意識した店舗づくりを進めています。海外からの観光客も見込むかたちで、ショッピングセンターを観光拠点にもしたい考えです。

今後は、消費者の価値観の変化をいかに現実的に取り込んでいくかが、小売りをはじめとする事業者にとってのテーマになることでしょう。

新たな価値観にどう対応するか

こういった価値観が広がっても、私たちが「モノにまったく価値を感じていない」ということではありません。体験や人との関わりを示す「コト」が重視されるのであれば、どういったモノを、どのようにして手にするかということが重要となるでしょう。

私たちが何に価値を感じ、世代ごとにどんな価値観を持っているかを探ることで、販売戦略をねる企業やビジネスパーソンはもちろん、個人においてもモノとの上手な付き合い方を築いていきたいところです。

提供・UpU

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