国内企業物価と消費者物価の関係を見ると、天候などにより変動幅の大きい生鮮食品を除く、消費者物価総合指数(以下、コアCPI)が前年同月比で上昇に転じたのは、国内企業物価指数が上昇に転じた21年3月から約半年後の21年9月だ。

 直近23年5月のコアCPIは前年同月比3.2%の上昇となった。4月の3.4%の上昇に比べ0.2ポイント低下した。国内企業物価は23年1月から低下に転じ、5月まで5か月連続で低下している。コアCPIも23年1月に前年同月比4.2%上昇でピークを付けている。

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 確かに、物価上昇の大きな要因の1つだった石油・石炭・天然ガスの円ベースの輸入物価指数は、前年同月比で21年3月から上昇に転じ、21年11月に132.8%上昇という大幅な上昇でピークを付けた後、23年4月には前年同月比で下落に転じた。