暴力行為が発生した時間帯別件数をみると、新型コロナ前の19年度には始発から午前9時の通勤時間帯に26件あったのが、20年度には12件、21年度には7件と大幅に減少した。しかし、22年度には18件と大幅に増加した。これは、通勤客が戻ってきたことにより、発生件数が増加していることを示している。

 さらに、それ以外の時間帯でも、22時から終電の時間帯を除けば、徐々に発生件数が増加している。半面、22時から終電の時間帯では、20~22年度の間も多くの暴力行為が発生していたことがわかる。(グラフ2)

鉄道係員に対する暴力行為2年連続で増加、コロナ明けの影響かの画像3

 22年度の暴力行為の発生場所ではホームが43%で最も多く、次いで改札が28%となっている。この比率と傾向については新型コロナ前と比較して、大きな変化は見られない。また、暴力行為発生のきっかけでも、「理由なく突然に」が29%、「酩酊者に近づいて」が28%、「迷惑行為を注意して」が20%となっており、この3つが8割近い点でも新型コロナ前と比較して、大きな変化は見られない。