ただ、もっとやり方次第で、両方のユニバースの可能性を残しつつ、次作に向かっていけたと思うだけに、正直言って、チャンスを逃してしまったとしか筆者には思えない……。

 とはいえ、繰り返すが、それがいつでもできてしまうのがフラッシュというキャラクターの存在だ。

 競合作品が多い時期の公開と、タイミングが悪かったこともあって、興行的な問題で続編制作も危ぶまれている中ではあるが、フラッシュを演じたエズラ・ミラーは、今後もなんとしても続投させるべきだ。

 ファンとしては、先述したDC映画の“裏事情”が雑念としてどうしても入ってきてしまうため、もう少しうまいやり方があったのではないか? と考えてしまうのは仕方ないのかもしれないが、それをいったん忘れて、1本の作品として観てみれば、決して悪い作品ではない。

 改めてストーリーを考えると、なかなか強引なものにも思えるかもしれないが、いくつか謎も残されていて、全体的にフワっとさせてある。つまり、今後の展開によって、どうにでも料理できる余地があるといったところ。

 そして今作の見所は、なんといってもサプライズのつるべ打ちだ。