そういった意味で「マシンガンズ」さんの小道具を使用した漫才も、「ギャロップ」さんの笑いを起こさない漫才も、どちらも王道漫才ではないのだ。なので漫才の手法を評価するのではなく、面白いかどうかで判断するべきであり、両ネタとも十分面白いネタだったということだ。
最後に、この大会に対する僕の個人的な意見を述べて終わりたいと思う。優勝した「ギャロップ」さんのネタはとてもまとまっており、3本とも見せ方を変えていたのでさすがといったところだったが、面白いネタなら他の賞レースでも見ることができる。なので僕としては準優勝した「マシンガンズ」さんの方が、今大会の趣旨に合っていたように思う。決勝戦で見せた「マシンガンズ」さんのネタは十分笑いも起きていたし、自虐も交えて面白く披露していたのだが、たぶん本当にネタ切れを起こしてしまった中、何とか形にしたようともがいた結果あの形になったような気がする。それこそがベテランの良さであり、それこそが「THE SECOND」にふさわしい姿だったのではないだろうか。
今回を踏まえてルールの改定や細かな修正が行われるかもしれないが、この「THE SECOND」は他の賞レースとは違い、ただネタを見せるための大会ではなく、ベテランの巧妙さや笑いに対する真摯な姿、そして漫才本来のアドリブ感を楽しめる大会になればとても嬉しい。
希望的観測だが、この先この大会はもっと無名のベテラン芸人たちにチャンスを与える大会となるはずだ。腐らずにお笑いを続けてきたベテラン芸人たちよ、セカンドチャンスでありラストチャンスを手にするために今から最大限の努力をしてほしい。そして僕たちを楽しませてくれ。