しかしその6分というネタ時間を上手く使い、どのようにお客さんを楽しませるかというのも芸歴が長い芸人の実力が試される部分であり、漫才ネタ以外の笑い要素が必要となるとても面白いネタ時間だ。この6分というネタ時間は本当にお見事な時間である。

 そして上記の二つと同じくらい注目されていたのが審査方法だ。他の賞レースとは違い芸人やタレントの審査員がおらず、会場のお笑いが好きだという100名の観客審査員の点数のみで勝敗が決まる。しかも審査前に余計なトークや、アンバサダーのダウンタウン松本さんの意見や評価などは一切挟まず、即座に審査に行き、トークなど別の笑いが審査に含まれないようにし、純粋に漫才の点数で勝敗を決めるあたりもとても良い点だ。

 ただ「とても面白かった:3点」「面白かった:2点」「面白くなかった:1点」という点数制になっている部分の「面白かった」と「とても面白かった」の境目がかなり難しいのではないだろうかと思ってしまった。さらに「面白かった」が2点で「面白くなかった」が1点という点差も少々疑問が残るのだが、単純に点数だけだと味気ないということでこのような表現になったのだろう。ほかの言い方が出来ればもっとわかりやすかったかもしれない。

 この大会は他の賞レースに比べ、終わった後の賛否両論が少なく、とても良い大会だったということがうかがえる。そして「ギャロップ」さんの優勝も、視聴者も含めて納得いくものだったに違いない。