シングルマザーの麦野早織(安藤サクラ)と小学生の息子、湊(黒川想矢)は住んでいるマンションの一室から雑居ビルの火災を見る。ビルにはガールズバーが入っており、従業員が避難する様子が見えた。ビル火災を見ながら早織は湊から「豚の脳を移植された人は豚か、それとも人?」という妙な質問をされてしまう。

 それからほどなく、湊の様子はおかしくなり、真夜中に外出して戻らなくなる。知人からの連絡で薄暗いトンネルの中で湊を保護した早織だが、走り出す車から湊は飛び降りてしまう。

 病院で検査を受けた湊にそれ以外の傷がついているのを見た早織が問い詰めると、湊は担任教師の保利(永山瑛太)から暴力を振るわれ、「お前の頭には豚の脳みそが入っている」と暴言まで吐かれたと打ち明ける。

 ただちに早織は小学校に訴え出るが、校長の伏木(田中裕子)をはじめ教師たちは形だけの謝罪に終始、木で鼻をくくったような態度に早織は呆れかえり、冷静ではいられなくなる。

 なぜ、教師による暴力が行われたのか、という真相の解明を求めても得られず、毎日のように学校にやってくる自分がまるでモンスターペアレントのように扱われるのにも我慢ならない。

 その上、保利から湊はクラスメイトの星川依里(柊木陽太)をいじめている、などと言われてしまう。ところが依里からは「湊くんは友達で仲良し」と屈託ない笑顔が返ってきて、病気という名目で学校を休んでいる湊宛ての手紙を書きはじめる依里。早織は依里の手紙の文字が左右逆の「鏡文字」になっているのを「間違ってるよ?」と指摘するが……。