『最後の聖戦』の物語はキリストの聖杯を手にしたものたちが選択を迫られる。

 聖杯を守護する騎士から「多数の杯の中から正しいものをひとつ選べば永遠の命。誤ったものを選べば死」と告げられる。悪党は他人に杯を選ばせた。結果朽ちて死んでしまう。インディはキリストが元大工だったことを思い出し、木製の粗末な杯を選び、すくった水を瀕死の父親に飲ませる。傷は立ちどころに塞がり、命は救われる。

『最後の聖戦』という物語は「聖杯の力でも借りなけりゃ、父親と和解なんてできない」というスピルバーグの思いが込められていた。