キューバは米フロリダ州沿岸から、わずか約160キロ(100マイル)の位置にある。訓練センターとはいえ、これが設置されれば、それなりの数の中国人民解放軍の軍人が米本土の目と鼻の先に常駐することとなる。
訓練センター計画については米国も把握しており、機密情報として扱われていた。米バイデン政権はこの件でキューバ政府に接触し、キューバの主権にも関わる問題だとの理屈で、訓練センターの設置を思いとどまるようキューバ側に伝えているという。
ブリンケン国務長官が中国に出発したのは6月16日で、中国の次に英国を訪問し21日に帰国した。国務長官の外遊の最中に機密情報がメディアにすっぱ抜かれてしまった。
ブリンケン国務長官の訪中で米国は、ペロシ前下院議長が昨年8月に台湾を訪問して以降、遮断されている両国軍同士のコミュニケーションの再開を中国に求めた。不測の事態を避けるための提案だったが、中国側は拒否した。習近平国家主席と会談したことは意味があったが、「実」は取れず、内容に乏しい訪問だっただけに、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道で「弱腰外交」というイメージが上塗りされてしまった。
【こちらの記事も読まれています】