中国軍の脅威を伝えたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の特ダネ記事に、米バイデン政権が振り回されている。米国の膝元に位置するキューバに、中国軍が盗聴基地や訓練センターを設置しようとしているとの内容で、盗聴基地について米政府は、いったん報道を否定したが、その後、政府として把握していたことを認めざるを得なくなった。訓練センターについてはブリンケン国務長官の中国訪問の直後に報じられ、緊張緩和を目指した米中会談に冷や水を浴びせられてしまった。

 ブリンケン国務長官が6月19日(北京時間)に北京で中国の習近平国家主席と会談した翌日の20日(米東部時間)、ウォール・ストリート・ジャーナルは中国とキューバが両国軍の共同訓練センターをキューバに設置する方向で協議しているとの記事を配信した。20日付けの紙面で1面右上に掲載され、事実上、トップの扱いだった。

 報道によると、訓練センターは米国に向いたキューバ北部の沿岸に計画されているという。協議はかなり進展しているが、現時点で正式に決定されていない。