さて、現代が久しぶりにジャーナリスト井上久男のトヨタ批判をやっている。

 最近の話だが、講談社の子会社で発行している雑誌「ベストカー」が、トヨタに批判的だという理由らしいが、某評論家の原稿をボツにした。

 私も読んでみたが、車をもっと昔のように輝いたものにするべきだという趣旨で、トヨタ批判とは読めなかったが、

 ここは豊田章男現会長を「客員編集長」にしたことで編集方針に疑問の声が出ていたが、トヨタを批判する原稿は載せないということなのだろうか。

 もはやジャーナリズムなどかなぐり捨てて、トヨタ一社だけと付き合っていれば、ほかなど目に入らないのであろうか。

 同じ講談社の雑誌として、現代は大丈夫かと思っていたら、編集長が替わったせいだろうか、現代が丸ごと、しかも10ページも割いてトヨタ批判をしているので、少し安心した。

 井上の批判の矛先は一貫して豊田章男に向かっている。日本経済新聞が出している雑誌で豊田が気に入らない社長の記事を載せたということにへそを曲げ、章男の実父の故・章一郎の「お別れ会」の社告が日経には掲載されなかったそうだ。

 章男が恣意的な人事をやりすぎるなどなど。そして井上はこう書く。

「はっきり言おう。いまのトヨタ及びグループ、販売店や下請けは、章男氏の思い付きや気分によるガバナンスや指示が罷り通り、多くは内心それに脅え、怒っている。

 販売店だけではなく、下請け部品メーカーにもトヨタへの不満が渦巻く。

 大手下請けの幹部に言わせれば、トヨタの生産計画は精度が低く、いつも外れる。おまけに部品によっては『在庫を5年分持つようにとの指示が来て、倉庫探しが大変だ。いまや三河地区の主力産業は自動車ではなく、倉庫業といわれるほど』と指摘する。トヨタが看板とする無駄な在庫を持たない『かんばん方式』が機能してないようだ」

 豊田章男の先見性のなさ、容赦のない子会社切り捨て、社内の人望のなさ。これではトヨタの株が値上がりするわけはない。渾身のレポートである。