タイトルの「Coda」には2つの意味が込められている。尾を意味する音楽用語で、楽曲の最後の部分を指している。もうひとつの意味は、聴覚障碍者の両親を持つ子供を意味する「Child of Deaf Adults」の略。
Codaであるルビーが最後に人生の岐路に立たされる「尾」――。
二重の意味をもったラストシーンで映画は締めくくられる。タイトルの時点で見事というしかない。もちろん途中の内容はそれ以上に素晴らしい。
本作は2014年のフランス映画『エール!』のリメイクで、本筋、結末はほぼ同じ。フランス映画のリメイクと聞いて『Coda』を見ると納得だ。この映画は結構な下ネタが多い。
ルビーの父フランク(トロイ・コッツァー)はインキンタムシの病気で診察を受けに行くが、医者から「奥さんに感染するのでしばらく性行為は控えてください」と言われる。期間は2週間。すると
「2週間も我慢できるか! 死ねっていうのか?」
と手話で激怒! 妻のジャッキー(マーリー・マトソン)も同様に不満顔。
【こちらの記事も読まれています】