漁業の町、マサチューセッツ州グロスターで漁師の一家に生まれた高校生、ルビー(エミリア・ジョーンズ)。両親、兄の3人は聾唖者。ルビーは家族でただ一人、耳が聞こえるということで家族の通訳係として暮らす日々。朝早く漁に出かけ、仕事のあとは学校へ。授業のほとんどは居眠りで過ごしているから友達も少ない。

 ルビーは気になる男子、マイルズのあとを追って合唱サークルに入る。音楽教師のヴィラロボス先生はルビーの歌の才能を見出し、発表会でマイルズとデュエットするように決め、名門音楽大学への受験を勧める。

 子供のころから家族の通訳として暮らしてきたルビーは、自分の中にある才能を信じることができない。マイルズとちょっとしたことで諍いを起こし、デュエットはご破算。家族は仲買人の搾取を嫌って直接、魚を客に売る新事業を始めたことで忙しさは倍増。

 進学を打ち明けるも両親は猛反対。挙句ルビーがいない間に漁に出た父と兄は沿岸警備隊の通報を受け、「聾唖者だけで漁に出た」という理由で罰金を科せられる。

 ついに進学を諦めるルビー。だがマイルズとデュエットする発表会だけは参加しようと、合唱サークルの発表会場に家族を招待する。ルビーは「聞こえない」家族の前で見事な歌声を披露するのだった……。