腐敗した社会を正すヒーローになる。そんな狂気に取り憑かれた男を若き日のロバート・デニーロが演じた『タクシードライバー』(76)は、映画史に残る大傑作だ。ポール・シュレイダー(脚本)&マーティン・スコセッシ(監督)のコンビは、その後も実在のプロボクサーの半生を描いた『レイジング・ブル』(80)や悩めるイエス・キリストを主人公にした『最後の誘惑』(88)などの名作、問題作を放ってきた。
ハリウッドの“生きた伝説”コンビが『救命士』(99)以来となるタッグを組んだのが、ギャンブルの世界を舞台にした『カード・カウンター』。オスカー・アイザックを主演に迎え、ポール・シュレイダーのオリジナル脚本をシュレイダー自身が監督、スコセッシは製作総指揮として支えている。
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