──そういえば『アル中ワンダーランド』でお馴染みの犬・モモちゃんが今作には登場しませんが……。

まんきつ:あ! 実はモモちゃんが、ポテトちゃんなんですよ。モモちゃんは仮名だったんです。ブログ時代からなんでも仮名にする癖がついちゃってて(笑)。たしかに、読者のみなさんは「モモちゃんどこ行ったんだろう?」って心配になりますよね。モモちゃんがポテちゃんなので安心してください。

──アルコール依存症だったときは、モモちゃん改めポテトちゃんのお世話は大変でしたか? 

まんきつ:いえ、むしろポテちゃんがいたから、なんとか生活を保っていたんです。散歩だけは毎日めちゃくちゃしてたから。当時は結婚していて、栃木のど田舎に住んでいたんですけど、夕方の畑道をほろ酔いでポテちゃんと散歩するのがすっごい気持ちよかったんですよ。犬の散歩がなかったら、家に引きこもって飲んだくれていたはずです。

──犬と暮らすことで、否が応でも外に出ないといけない状況に助けられた。

まんきつ:私が今こうやって健康的に生きているのは、犬たちのおかげです。今でも外出といえば、近所のイトーヨーカドーと銭湯と犬の散歩だけ。サウナと犬がいなかったら、人として終わってたと思います。

──ポテトちゃんに加えて、3年前からペットショップで出会った黒柴の銀ちゃんもまんきつ家に加わったそうですね。

まんきつ:黒柴ってずっと憧れてたんですよね。ポテちゃんが本当におとなしくて手がかからないので、1匹増えても大丈夫だろうと思ったんですが、2匹になると大変でした(笑)。雨の日も雪の日も台風の日も散歩に連れていかなきゃいけないし、お世話にはお金もすごくかかりますしね。

──黒柴への憧れはいつからですか?

まんきつ:だいぶ昔なんですけど、女優の寺島しのぶさんが愛犬の黒柴と並んだ写真を見て、それがすごく素敵だったんですよ。七五三で撮った親子写真みたいに見えてたんです。私はずっと雑種しか飼ってこなかったので、最初はそれが黒柴だって言うのも知らなかったんですけど。それからずっと、いつか犬を迎え入れるなら黒柴かハスキー犬だと決めてました。

──シベリアンハスキー犬にも憧れてたんですね。

まんきつ:佐々木倫子さんの『動物のお医者さん』(白泉社)を読んでましたからね。子どものころはいつかハスキーを飼いたいって思ってたんですけど、実家がいつも雑種ばかり飼っていて。ポテちゃんにも出会ったし、飼ってみれば雑種も何も関係ないですけどね。