ナイスBBAたちの映画としても秀逸
と、まあ危なっかしくてハラハラするハルと楓ですが、実はよき大人たちがそばにいます。
それは行きつけのカフェのオーナー・蝶子(アン ミカさん)や、カフェの常連のおばあちゃん・トメさん(松金よね子さん)、楓の上司・荻窪さん(宍戸美和公さん)といった、ナイスBBAたち。
彼女たちは人生の先輩らしく俯瞰したまなざしで、若者たちの往く道を優しく照らします。正当に評価し、チャンスを与え、ときには見守ってくれていたのです。彼女らの振る舞いはもちろん、個性あふれる装いも本作の注目すべきポイント。
私たちBBAも、彼女たちの姿勢を見習ってかっこよく年を重ねていきたいものです。
なかでも私は、荻窪さんの見事な脚線美とチャレンジ精神に惹かれました。
なかなか交わらないZ世代と大人世代のスクランブル交差点のような「おとななじみ」。「若い子の考えてることなんてわからん」と切り捨てず、異世界探訪のような気分で覗いてみてはいかがでしょうか。
在りし日の自分を見るような、懐かしくいとおしい気持ちになれますよ。