◆自分が好きなのは、長い人生をともにしたいのは

 そんなとき、みちは昇進試験を受けるよう上司に言われる。仕事をバリバリすることは考えていなかった彼女だが、それもありかもと気持ちが傾いていく。楓もみちも、仕事に自己実現を見いだそうとしていくところは、今の時代のリアルだろう。

 みちは、後輩の華(武田玲奈)による粋な計らいで、転職していく誠とともにラーメン店で同席する。嗚咽しながらラーメンを頬張るみち。それを知りながら平静を装う誠。店を出て握手をして、もう会えないことを確認したのに、左右に分かれてから誠の気持ちが限界に達した。自分が好きなのは誰なのか、長い人生をともにしたいのは誰なのか、わかっていたのに封印しようとしていた心は、もう止めることができなかった。

 誠はみちの手を握りしめてバスに乗ろうとする。だが、ふたりは思いとどまった。もう逃げるのはやめよう。ふたりの気持ちは固まった。