「疲れが取れない」、「朝起きるのがつらい」、「食欲がない」など、夏になると現れる体の不調。いわゆる「夏バテ」に悩まされていませんか?夏バテは、間違った予防対策をすると逆効果になる可能性もあると言われているので注意が必要です。今回は夏バテの原因となる2つの要素と、それぞれの対処法について詳しく解説します。

「暑くて体力がなくなる」だけではない?夏バテの2大原因

夏バテの原因は大きく2つに分けられると考えられます。

1つ目は「高温多湿による体温調節機能の不全」です。

通常、人の体は外部の温度変化に対して体温調節機能が働き、体調を整えています。暑い夏は、気温にともなって上昇した体温を調節するために汗を出しますが、高い湿度のためにその汗が蒸発しないと、体温調節がうまくできなくなります。

その結果、体力が低下し、めまいや食欲不振などの夏バテの症状が起こり、熱中症の危険性も高まると言われています。

2つ目は「冷房や食べ物による体の冷えや急な体温変化」が挙げられます。

夏場は高温の屋外とエアコンにより冷えた室内を行き来することで、頻繁に体温が変化し、自律神経が乱れやすい状態になると言われています。自律神経が乱れると体のだるさや気力の低下など、「夏バテ」の症状が出やすくなるようです。

つまり、夏バテは「暑さ」と「冷え」による2タイプの両極端な原因があると考えられます。それでは続いて原因別の夏バテ対処法を確認していきましょう。

「暑さ」が原因の夏バテ対策

暑さによる夏バテは、外回りの多い営業職やレジャー施設でのサービス業など、屋外で過ごすことの多い人がなりやすいと言えるでしょう。暑さが原因の夏バテには、以下3つの対処法を試してみましょう。

1.こまめな水分・塩分補給を

私たちの体は、気温とともに上昇した体内の熱を放出するために、多くの汗をかいています。そのため、暑い日は気づかぬうちに体から水分が失われて脱水状態となり、夏バテの症状が出ることがあるので注意が必要です。

また発汗の際、ナトリウムやカルシウムなど体に必要なミネラル分も汗とともに出ていってしまいます。多くのミネラル分が失われることで体内の栄養バランスが崩れると、疲れを感じやすくなります。

そのため、水分補給と同時に塩分、ミネラル分の補給も重要です。いつでも水分・塩分・ミネラル分のチャージができるように、水やスポーツドリンク、塩飴、塩分が摂取可能なタブレットなどを持ち歩くと良いでしょう。

2.栄養価の高い食事でビタミン・ミネラルをたっぷり摂取

あまりの暑さに、アイスクリームやよく冷えた清涼飲料水など、冷たいものばかりを取っていませんか?

暑くなると消化酵素の働きが低下し、冷たい飲み物を多く取ることで胃腸が冷えて消化不良を起こし、食欲が減退しがちです。暑さで食欲が落ち、あっさりしたものなど偏った食事を続けると、ビタミンやミネラルなどの栄養素も不足することになります。

夏バテの予防には普段の食生活の見直しが有効です。糖質や脂肪をエネルギーに変えるビタミンB1を多く含む豚肉や、各種ビタミンやミネラルが多く含まれる緑黄色野菜など、栄養価の高い食事を心がけ、体の調子を整えていきましょう。

3.就寝環境を快適に

夏は寝苦しい熱帯夜が続くことがあります。冷房が苦手で暑さに耐えながら寝ている人は、眠りが浅くなることが原因で夏バテを引き起こしてしまうかもしれません。夏バテ対策には睡眠の質や量も重要です。

もし冷房をつけるのに抵抗があるなら、ひんやりした体感の冷却シートや冷感シーツ、氷枕などを利用してみましょう。扇風機の前に氷を置いて、冷風が流れるようにしても良いでしょう。