野獣が恐ろしいのは外見だけで実は心優しい人間であり、しかも王子であるということは早い段階で明かされるので、最後にベルが野獣を愛することで呪いが解ける、という感動のオチも穿った見方をすれば「彼がイケメンの金持ちという正体を知っていたから助けたんじゃないの!?」というわけだ。そう考えるとイヤな話だなあ。夢もおとぎ話もあったもんじゃない!
そうしたストレートな批判を避けるために物語は、ベルに求婚する村の若者ガストンを登場させる。ガストンは村の人気者で力持ちで誰からも好かれていたが、人気者であることを鼻にかけ、粗暴な一面があり、さらに無教養だった。それを見抜いていたベルは、彼の求婚をはねのける。
自分を拒絶する女がいることが理解できない(こういう男、いますよね)ガストンは、なんとしてもベルをモノにしようとする。娘同様、自分を拒絶する邪魔な父親を殺そうとし、それが失敗すると異常者扱いして施設に送り込もうとする、とんでもない悪党だ。
ベルは「本を読む」ということだけで村人から「変わっている」と決めつけられ、彼女が子供に読み書きを教えようとすると「余計なことをするな」と怒鳴られる。
女性には教養なんかいらないってわけだ。
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