◆脚本から、この時代に必要な要素を感じた

――市の水道局員として、水道料金滞納者のもとを訪ね、水道を止めて回る業務に当たる主人公・岩切(生田斗真)。磯村さんは、岩切とともに行動する同僚・木田を演じました。感じ入るところの多い作品ですが、磯村さんは最初にどんな印象を持ちましたか?

磯村勇斗さん(以下、磯村)「脚本を拝見して参加したいと。即決でした。水道局員の主人公を軸にして、格差社会をテーマにしながら物語が進んでいくところが新しいと思いましたし、岩切が最後に起こす革命が、小さいけれども、この時代に必要な要素なんじゃないかと感じたので参加したいなと」

渇水 磯村勇斗
(C) 「渇水」製作委員会
――なかでも、母親に育児放棄された姉妹と、岩切と木田、4人のシーンが印象的です。

磯村「そうですね。僕はアイスを4人で食べるシーンが好きです。それまでは距離感があってなかなか歩み寄れなかったんだけれど、あのときだけ、時間が少しだけゆっくり流れて、すべてが平和になるというか。現場でも“いい時間だな”と感じましたし、岩切にとってもターニングポイントにもなった、とても素敵で、重要なシーンだったと思います」