公明党は維新と共闘体制に

 四半世紀近い自公の連立関係がここまで揺らぐとは想像できませんでしたが、まあ公明党側にいろいろな不満もたまっていたはずで、そのあたりも熟年夫婦っぽいかもですね。

 公明党はすでに日本維新の会との交渉を進めていて、都内の全選挙区に候補者擁立を決定した維新に「全候補者に推薦を出す」と持ちかけたようです。大阪の選挙区を死守したいのでしょう。

 公明党は現在、大阪に4選挙区を持っています。前回の選挙までは、維新は公明党に大阪都構想に賛成してもらった恩義として候補者を立てませんでした。それが「もう恩義は返しただろう」と、今回は大阪の全選挙区に候補者を立てる予定です。

 勢いのある維新に4選挙区すべて取られてしまうよりも、2つは譲り、「東京の維新推薦」で取引するのだと思います。さらに「候補者を立てるのは大阪3区か16区にしてほしい」と具体的な話も出ているようです。

 大阪3区は佐藤茂樹元厚労副大臣の、16区は北側一雄元幹事長の地盤です。ともに当選10回を誇るベテランですから、これを機に世代交代を図ろうとしているのでしょう。大物を落選させて“ご勇退”に追い込みたいのかもしれません。公明党の裏側というか、怖い面を見る気がしますね。

 一方で、将来を担う大阪5区の國重徹元総務政務官と、同じく大阪6区の伊佐進一厚労副大臣兼内閣府副大臣の若手二人は、これからの公明党の未来のためになんとしても守りたいのだと思います。