◆そして、別居生活へ

夫がどんなにフォローしても、お産・育児の先輩や、助産師という専門家の言葉のほうに重きを置いてしまうのは仕方がないことかもしれない。しかし妻のそうした「助産院ファースト」な考えは、仕事にも影響が及んでいったため、生活に大きな影響が出てしまった。

助産院離婚202306
「妻はもともと仕事で、親子向けのワークショップ的なものも開催していました。その活動の方向性が助産院の価値観とフィットしたんでしょうか。助産院でも開催したらと持ちかけられ、妻は喜んで承諾。しかしお話したように、自宅から助産院は距離があります。結果、妻が独断で助産院からアクセスのよい場所に別宅を構えることとなり、週の半分以上子どもと共に不在に。そして次第に完全別居となり、そこから離婚へと至ります」

離婚の理由にはほかにも多々あり、助産院の存在はあくまできっかけのひとつなのかもしれない。しかし旺太郎さんの見立てでは「根本的な原因が元妻の“沼”体質」にあるのではという。

後編につづく

<文/山田ノジル>

【山田ノジル】

自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru