―連載「沼の話を聞いてみた」―
第1子誕生後、ほどなくして旺太郎さん(仮名・50代)夫婦は離婚した。それだけ聞くと、よく聞く「産後クライシス」なのか? と思う。しかし夫である旺太郎は、
「価値観の違いやすれ違いの積み重ねではあるが、離婚の決定的な原因は、助産院の存在だ」
と、体験談を語ってくれた。元妻が家庭よりも助産院での人間関係を優先し、結果、別居から離婚に至ったという。
助産院とは、助産師を責任者とする、医療法で定められた施設のことだ。病院と違うのは、医療行為ができないこと。
いろいろなパターンがあり、妊婦健診や産後ケアのみでお産を扱わない施設もある。お産を扱っていても、必要と判断されれば嘱託医療機関への転院や搬送が行われる場合もある。産後ケアが充実している施設も多く、母乳ケアや育児相談、各種親子向けイベントも開催されている。小規模でアットホーム。「寄り添うケア」「人と人との距離が近い」なども、特筆される点だろう。
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