◆ノーワクチン&ノーマスクの妻

「自分も定期接種ワクチンのすべては必要ないと思っていましたが、全員が同意見では話し合いにならないのでは? と思い、一部は必要なものもあるのでは……と発言してみたものの『それは男性の意見』とバッサリ。相手にされませんでした」

その助産院が強くワクチン接種を反対しているわけではなさそうなのだが、話からは、傾向としてワクチン忌避の人が集まっているような印象である。そうしたコミュニティの影響だろうか。時はコロナ禍に突入していたが、妻は新型コロナウイルスワクチンもインフルエンザワクチンも打たず、外出時も接客を伴う仕事中もノーマスクで過ごしていたという。

「コロナワクチンを打たない選択は自分も同じですが、妻は妊婦なのでさすがにほかの感染症が心配でした。だから混雑した場所へ行くときはせめてマスクをつけてほしいとお願いしてみたものの、『私はそんなのかからない』と聞き入れてもらえませんでした」

「あの勉強会での様子を見ていたので、ある意味納得ですが。そして幸いにも、実際かからなかったのですが。後の離婚時には子どもについて話し合い、定期接種のワクチンだけは打ってほしいとお願いして了承してもらったにもかかわらず、結局いまだその約束は果たされていません。勉強会も含めて、話し合いって何でしょうね……」

旺太郎さんが苦しむ一方で、夫が自分の選択を受け入れてくれないと、妻側もまた苦しんでいるかもしれない。子どもが生まれて育児がはじまると、さらに話がかみ合わなくなっていく。