サミット後、間を置かずに解散に踏み切るのではと噂された岸田首相だが、ここへきて自公の間がぎくしゃくしてきて、それどころではなくなってきたようだ。
発端は、10増10減で増えた東京29区に、公明党が岡本三成衆院議員を立候補させることを表明すると、自民党都議らが茂木幹事長のところへ抗議に行ったそうだ。
自民党は2人候補がいるそうだが、その一人、川松真一朗都議は、元テレ朝のアナウンサーで、学生時代からラグビーに打ち込んでいて、同じラグビーつながりで、森喜朗元首相が可愛がっているという。
清和会の重鎮である萩生田光一政調会長も強硬に29区を譲らなかったため、公明党は29区には候補を立てないが、都内小選挙区の自民党候補を推薦しない、都議会での協力関係も解消すると石井幹事長が会見で語ったのだ。
たしかに現在の公明党の集票能力は落ちている。昨年の参議院選では、比例で800万票を目標としていたが、実際は約618万票であった。
だが、1選挙区での公明票は1~2万票あるといわれ、ぎりぎりで当選してきた自民党議員は落選する可能性が大きいのだ。
強硬だった萩生田に対して、公明党の支持母体である創価学会の幹部は、学会だけではなく統一教会にまで接触している萩生田を、「あいつだけは勘弁ならねぇ」と嘯いていたそうだ。
一時、自民党は、公明党を切って日本維新の会と手を組もうと考えたこともあったようだ。だが、維新の会はこのところの躍進で、自民党と手を組んだら嫌自民票が入らなくなる、このままいけば自民党に取って代わって天下を取れるかもしれないという「妄想」を抱いてしまったため、今は自民党離れをしているようだ。
ここで解散すれば、多くの落選者が出るのは間違いない。そう岸田が怯えているに違いない。蟻の一穴から城が崩れることもある。
それが息子・翔太郎の官邸大忘年会だったとしたら……。