売れない若手芸人は当然ながら売れることを目指している。しかし、人生を投げ出してまで売れようと頑張ったはずなのに、なぜかブレーク後の芸人から「売れる前のほうが楽しかった……」という発言を耳にすることがある。

 5月28日に放送された南海キャンディーズ・山里亮太とオードリー・若林正恭の半生を描くドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)第8話では、そんな矛盾が描かれた。売れない芸人を経験した筆者が振り返ってみたい。

『M-1グランプリ2004』の準優勝を経て一躍、人気芸人の仲間入りを果たした南海キャンディーズ。しかし、山里(森本慎太郎/SixTONES)は思い描いた通りの活躍ができず、相方のしずちゃん(富田望生)ばかりがフィーチャーされることにわだかまりを覚える。

「自分がネタを書いているのに……」。

 コンビとしての価値を高めようと、しずちゃんをプロデュースしようとするも空回り。次第にモラハラ癖がまたぞろ顔をのぞかせる。