◆私は夫の弱さを飲み込めるほど強くない
夫は今もひとり暮らし。8歳になる娘のことはかわいがっているので、月に数回、3人で会っている。
「あれから8年たっても、私は夫を許していません。先日、夫が『オレは本当にバカだった』とつぶやいたけど反応できなかった。娘の父としては認めているけど、個人的な関係を修復したいとは思えない」
ユリコさんと元夫は、2年つきあってから2年同棲して結婚した。お互いのことはわかりあっていると思っていたのに、結婚後はむしろ「わからないこと」が増えたという。
「あの浮気は夫の弱さだったんでしょうね。離婚してからそう思ったけど、だからといってやり直すことはできなかった。夫の弱さを飲み込めるほどの強さが私にはなかったということなんでしょう」
浮気させた自分が悪いとは思えないとユリコさんは言う。そしてただ一度の浮気が、どれほどの罪なのかは誰にもわからない。どこに落ち着くかは、それぞれの夫婦が決めていくしかないのだろう。
<文/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio