さて、川崎市麻生区(あさおと読む)は人口150万だという。新宿から快速で30分弱のベッドタウンだが、そこが5月12日に厚労省が発表した令和2年度の市町村別の平均寿命で、全国トップになったのである。

 これは5年に1度だが、前回は男性が全国2位、女性が4位だった。今回は、男性は84・0歳、女性は89・2歳。同じ自治体が男女ともにトップになるのは初めてだそうだ。

 快挙である! 中心の駅は新百合ヶ丘。私の知人の女性作家が高台の億ションに住んでいたので、だいぶ前には毎週のように通ったことがあった。だが当時は、駅前には何もなく、夜中になると寂しい場所だった。

 周辺には畑などがあり、失礼だが東京の田舎という趣があった。

 千葉大学予防医学センターの近藤克則教授がいうように、車がなくても暮らしやすく、緑や公園が多いから、歩くのが楽しい町である。

 それに比較的経済的に余裕のある人たちが多いようだ。今回、ワースト1位になったのは大阪西成区。男性は20年以上最下位のままだそうだ。

 長寿も金次第なのだろう。久しぶりに新百合ヶ丘へ行ってみようか。