古くから信仰されてきた世界遺産の聖地・熊野三山や、伊根湾に沿って約230軒もの舟屋が並ぶ伊根の舟屋、歴史ある街並みを静かに散策できる醒井宿など、大人旅や夫婦旅行におすすめの、関西の旅行先&観光スポットをご紹介します。
1.熊野三山(和歌山)
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社は「熊野三山」と呼ばれ、古くから信仰されてきた霊場。参詣道である熊野古道とあわせて、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されており、一度は訪れてみたい大人旅におすすめの聖地です。
熊野本宮大社の詳しい創建の歴史は定かではありませんが、社伝には崇神天皇65年(紀元前33年)創建と記されているそう。シンボルでもある八咫烏(やたがらす)は日本神話で神武天皇を大和から橿原まで案内したとされる三本足のカラスとして、導きの神としても信仰を集めており、熊野大神に仕える存在として熊野のシンボルとなっています。
また熊野速玉大社は、社伝によれば景行天皇58年(128年)の創建。約1,200点にものぼる古神宝類を所蔵し、また境内には樹齢1000年を超える天然記念物のナギの大樹があります。
そして熊野那智大社は日本三名瀑に数えられる「那智の滝」を信仰する自然崇拝が起源とされており、現在の場所に社殿が建てられたのは仁徳天皇5年(317年)とされています。467段の石段をのぼった先に建つ社殿は6棟からなり、八咫烏が石に姿を変えたと言われる「鳥石」や、樹齢850年を超えるとされる大楠、朱色が美しい三重の塔なども見どころ。
なお那智の滝は熊野那智大社の別宮である飛瀧神社のご神体。落差133m、滝壺の深さは10mと、一段の滝としては落差日本一の滝です。流れ出る水の量はなんと毎秒1トン程度にも及ぶといわれ、まさに圧倒的なスケールを誇ります。
また熊野参詣道の一つ「中辺路」の一部である「大門坂」は、熊野古道の中でも往時の雰囲気をとても良く残している場所であると言われています。苔むした石畳の階段に、沿道を覆うのは坂の向こうまで果てしなく続く背の高い杉林の道。過去の時代にタイムスリップしたかのような神秘的な雰囲気を味わえますよ。