ロシアと中国は、G7サミットにゼレンスキーを招いて、あたかも反ロシア・反中国の意志を露わにした岸田首相のことは決して忘れないだろう。

 私は、常々、なぜこうした場で、「戦争を早期に終結させるための話し合い」が行われないのかが不思議でならない。

 終結させるどころか、今回は、F16戦闘機をウクライナに提供することまで決定したのである。操縦する人間をアメリカが訓練するというから、少なくても今年いっぱいは戦争は終わらないということだろう。

 その間に、さらにどれだけの民間人が殺されることになるのだろうとは考えないのだろうか。

 核戦争はいけない。二度と広島、長崎のような悲劇を繰り返してはいけないとはいうが、ミサイルや精巧なドローンを使った大量殺戮なら許されるのか。

 頭が正常に働いているのか心配になるバイデン大統領を含めて、この戦争を早期に終わらせるためにG7以外にも、インドやブラジルといった国々も含めて、「戦争を止めるためにはどうすればいいのかサミット」を早急に開催すべきである。

 バイデンが中国に飛び習近平と会って、プーチンの暴走を止めるための話し合いをすべきではないか。

 メンツの問題ではない。これ以上戦争の犠牲者を出さないために、メンツを捨てて行動するべき時である。

 岸田首相は私利私欲でサミットを開催した。許されることではない。

 ジャーナリストの青木理がサンデー毎日で「この国の現在地を再確認する」としてこう書いている。

 軍需費は岸田がいっているように一挙に倍増させれば単純計算で世界3位。G7でもアメリに次ぐ第2位の座に躍り出る。

 出生率はG7の中で下から2番目だが、GDPに占める公的教育費の支出比は圧倒的な最下位。岸田は異次元の少子化対策に乗り出すと宣言したが、示されたのは弥縫策(びほうさく)だけ。

 人権状況も最悪。難民の認定率もG7の中では圧倒的最下位。それなのに岸田は、難民申請回数を制限する入管法改正を国会に上程。国連人権理事会から、「国際人権基準を満たしていない」と指摘されても知らん顔。

 同性婚を認めていないのもG7の中で日本だけ。さらに「報道の自由度ランキング68位でこれまたG7の中で最下位」のメディアは、政府の責任を追及する役割を十分に果たさない。

 愚かな為政者と愚かなメディア。これがこの国の現在地である。