さて、マイナンバーカードが予想通り迷走している。
私は申請さえしていないが、その大きな理由は、この国の情報管理を信用していないからだ。
河野太郎は突然、2024年秋までに現行の保険証を廃止するといい出した。デジタル相ごときがなんでそんなことができるのか。不信感で一杯になったが、マイナンバーカードを取得すれば2万円あげますよという汚い手口に、国民の間からもメディアからも大声で反対する声は出てこなかった。
卑しい発想から生まれたマイナンバーカードは、数だけは国民の7割程度まで来たが、実際にそれを使っている人は1割か2割ではないか。
そして恐れていたことが起きた。マイナンバーカードと紐づけされていた健康保険証に別人の情報が紐づけされていたケースが、2021年10月から昨年11月までで7312件も出ていたのだ。
数はもっと多いに違いない。実際に使っている人が少ないのにこれだけ出るというのは、確率的にはものすごいということになるはずだ。
このほかにも、コンビニで住民票を取ったが、他人の住民票が交付されたというトラブルが何件も出てきている。
こうしたことに河野は、富士通Japanという会社が開発したアプリによるもの、他人の医療情報が紐づけされていたのは厚労省が担当していると、責任逃れをしている。
この男には、健康保険証の情報が流出するということがどれほど重大なことか、理解できないようだ。
富士通Japanは富士通の子会社で、富士通と自民党の関係は長く深い。どんなことが起きているのかは容易に想像がつく。
保険証情報をマイナンバーカードに紐づけする作業は、健康保険組合や協会けんぽの職員が手入力しているそうだ。呆れたやり方だが、マイナンバーカードの関連会社は厚労省の役人たちの天下り先になっていると文春は報じている。
協会けんぽ理事の木倉敬之は元保険局長だが、誤登録について「写し間違いはある。人間が入るので、常に起こる可能性がある」と呆れ果てた答えをしている。
こんな人間たちがやっているマイナンバーカードを信じるほうが間違いだ。こんなことをやっていて、来年秋に万が一、保険証を廃止したら、誤情報だらけになり、医療現場は大混乱になる。
発言の責任を取って河野は辞任すべきだ。かなり先になるが、マイナンバーカードが普及することになるのかもしれない。その時、私だけこの国で唯一、マイナンバーカードを持っていない人間としてメディアにのることになる。それまで生きていればの話だが。