庵野のそういうオタクとして信用のおける仕事ぶりには本当に頭が下がる。この手の昭和の懐かし作品の再映像化でよくある失敗ケースは、オタク向けの作品なのに作り手がオタク作品をやってることを恥じるような作り方をしている場合だ(しかも、その時に流行っていたハリウッド映画の演出を使ったりする。日本製の作品なのに!)。庵野はオタクであることを何ら恥じていないことは、作品を見れば明らかだ(恥ずかしがってた時代もあったけど……誰にだって黒歴史はあるのだ)。

 結果、『シン・仮面ライダー』は「狭いところに深く突き刺さる」作品となった。

「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」

というキャッチコピーが示したものは庵野秀明のオタク少年時代の思い出だった!