◆“潤み典”が爆発

 第5話のラストは、ふたつの相反する感情表現が見事だった。翻って献身的に振る舞おうとする楓を避け、新名は、どんどんみちに気持ちが傾く。でもみちを強く求めるようになればなるほど、新名の感情は、から回る。

 会社を退勤したあと、エスカレーターで、新名は流星群を見るイベントのチケットを2枚予約する。購入ボタンを押して、満足気な新名が、嬉しさのあまり瞳を潤ませて、ぐっと感情をこめた笑顔を見せる。みちが喜ぶ顔を想像すれば、なおさらのこと。

 そのあと、待ち合わせたみちをすぐに誘うと、彼女は、なんと即答で断る。道ならぬ不倫の途中、ひとり取り残された新名のダメージは、かなり大きい。さっきまでの喜びは、どこへやら。哀しみのバロメーターを振り切るくらい痛切な表情をする潤み典(岩田剛典の潤んだ表情)が、ここで爆発する。