──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ
※劇中では主人公の名前はまだ「松平家康」ですが、本稿では「徳川家康」に統一しております。家康に限らず、本連載において、ドラマの登場人物の呼び方は、原則として読者にとってなじみの強い名称に統一します
『どうする家康』の第7回「わしの家」では、元康から家康(松本潤さん)への改名が描かれましたが、「家」の由来は、瀬名(有村架純さん)が発した「私はここが大好きです。なんだかみんなが一つの家におるようで。私も早うこの家の一人になりたい」という言葉にあったということになっていました。史実では、瀬名の両親にあたる関口夫妻は家康の氏真への謀反の罪に連座して殺されたというのが一般的ですが、ドラマでは処刑される描写はありませんでしたから、家康と瀬名の関係がこじれることもなかったということでしょうか。瀬名の両親の正確な生没年はわからないというしかなく、瀬名の父・関口氏純(親永)については、今川氏真の残した文書から永禄9年(1566年)くらいまでは生きていたのでは……という説もありますので、ドラマはそれを採用したのだと思われます。
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