『わたしのお嫁くん』性別は関係ない。相手を尊重し、苦手を補い合う関係
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「男性は外で働き、女性は家事をする」というテンプレ的な性別役割分業に切り込んだドラマといえば、『私の家政夫ナギサさん』(2020年/TBS系)、『極主夫道』(20年/日本テレビ系)、『今夜すきやきだよ』(23年/テレビ東京系)などが記憶に新しい。そして、この系譜の最新作が、毎週水曜夜10時放送中の『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)だ。
大手家電メーカー「ラクーン・エレクトロニクス」で“営業の神”と呼ばれるエリート社員・速見穂香(波瑠)は、社内での気配りも完璧で、男性社員からは“理想のお嫁さん”と呼ばれている。仕事のためにやっているはずが、結婚相手や彼女候補としての評価に勝手につなげられてしまうというのはあるあるだ。しかし、彼女には汚部屋に住むズボラ女子という秘密があった。まあ秘密というよりも「私って部屋汚いですよ! 飲み掛けのペットボトルすら捨てないし、消費期限が切れたパンも普通に食べますよ!」なんて、わざわざ言う必要がなかったというだけな気もするが。
そんなこんなでON/OFFを使い分けていた速見だったが、ある日“神レベル”の家事力を持つ後輩・山本知博(高杉真宙)に汚部屋に住んでることがバレてしまい、かくかくしかじかで2人の共同生活が始まっていく。
これまで、仕事ができる女性像には“しっかり者だからきっと家事もできるはず”というある種の偏見が含まれていたように思う。本来、仕事と家事のデキはイコールでないし、そこには性別も関係ないはず。でも、働き方やライフスタイルがどれだけ多様化しても“女らしさ”や“男らしさ”を求めるまなざしもあるもので、私たちはそのしらがみと時々、対峙しなければならない。