◆太郎くんの進学、就職をどう乗り越えるか
――これから太郎くんの成長をどう見守っていきたいと思いますか?
まゆん:これからは見守るというより、高校進学や就職などの壁にどんどんぶつかっていかなければならないと思っています。2人とも初めてのことだし、今は選択肢が広がっているとはいえ日本全体が厳しいという大きな問題もあります。二人三脚で進みながら、太郎と一緒に成長していきたいと思っています。
――これからの作品のテーマとして、例えば看護師のお仕事を描く予定はあるのでしょうか?
まゆん:ナース漫画は、患者さんの情報の守秘義務があるので難しいかなと思います。それを避けるためにはフィクションにしないといけないと思うんですが、創作漫画が苦手なんです。描きたいエピソードはいっぱいあるので、何らかの形で描ければいいなと思います。
――では、これからどんなことを作品にしたいと思いますか?
まゆん:私が漫画に描きたいテーマは大きくいうと、人の気持ちの真相や人の心の動きを細かく知りたいというのがあるんです。「どうしてこう思うんだろう」「私は今こう感じているんだ」という心の動きを常に描いていきたいです。
もちろん、これからも家族のことは描くのですが、社会問題や、生きる中で理不尽なこと、「これおかしくない?」と思うことについて、マイナスに捉えていることを柔らかく描けたらいいなと思っています。
【まゆん】
看護師でありシングルマザー。自閉スペクトラム症で特別支援級に在籍する息子の太郎くんとの日常や、心に残った出来事を漫画にして配信している。「ウォーカープラス」「LITALICO発達ナビ」などで不定期で漫画を発表。著書に『自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界』(KADOKAWA)。Twitter:@mayun4311、Instagram:@mayun4311
<取材・文/都田ミツコ 漫画/まゆん>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。