本作の毎話のタイトルは、第1話が「何を求めていますか?」第2話が「大きな声が出せますか?」と、疑問形になっている。おそらくこれは、山田太一脚本の青春ドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)へのオマージュだろう。『ふぞろいの林檎たち』に出演していた柳沢慎吾も山里を見守る警官役で出演しているのだが、暗い青春の中であがく若林と山里の姿は、かつて『ふぞろいの林檎たち』が描いていた若者たちと重なるものがある。

『だが、情熱はある』と放送時間帯が重なっている岡田惠和脚本のドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系、日曜夜10時放送)も、山田太一の『思い出づくり。』(TBS系)を彷彿とさせる内容となっている。プロデューサーの河野英裕はと岡田は『銭ゲバ』(日本テレビ系)、『泣くな、はらちゃん』(同)、『ど根性ガエル』(同)といった傑作ドラマを生み出してきた盟友だ。そんな二人が、山田太一の影響を感じるドラマを同時期に作っていることに不思議な巡り合わせを感じる。

 次の第7話では、いよいよ若林と山里が『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)に挑戦する。オードリーも南海キャンディーズも「M-1」でブレイクしたコンビなので、どのように描かれるのか楽しみである。