若林は中学からの同級生の春日俊影(戸塚純貴)と共にお笑いコンビ「ナイスミドル」を結成するが、仕事はほとんどなくオーディションにも受からない。一方、山里は相方へのダメ出しがキツすぎて、組んだコンビは喧嘩別れによる解散を繰り返していた。しかし、山里はしずちゃんこと山崎静代(富田望生)を誘い「南海キャンディーズ」を結成。当初は自分も目立ちたいからと二人でボケていたが、しずちゃんのボケを活かすためにツッコミに転向。すると今まで受けなかった漫才が受け始め、ようやく活路が見え始める。

 本作を観て、まず目を引くのが俳優陣の好演だ。若林はKing & Princeの高橋海人、山里はSixTONESの森本慎太郎が演じている。ジャニーズ事務所に所属する華やかなアイドルの二人が鬱屈した内面を抱える若林と山里を演じるのは難しいのではないかと思っていたが、しゃべり口調もビジュアルもどんどん二人に近づいている。

 春日を演じる戸塚純貴と、しずちゃんを演じる富田望生の演技も素晴らしく、「本人が演じているのでは?」と錯覚しそうになる。

 若林と山里が役作りに協力的で彼らの若手時代の映像がたくさん残っていたため、演じる上での環境は充実していたかもしれないが、まさかここまで再現できるとは思わなかった。彼らの芝居を追いかけるだけでも、楽しめる。