5号車の乗客の結束が深まる中、彼らをめぐる状況も大きく変化していった。

 加藤の命が救われたことで、改めて何者かに襲われるかもしれないという危機意識を抱いた乗客たち。自分勝手な問題行動の数々から車両からひとり離れて暮らしていた田中弥一(杉本哲太)が警備会社の社員で防犯の知識があることに気づいた優斗は、彼を再び呼び寄せ、不審者対策に呼子や罠を全員でつくることに。するとひとりの少年(小谷興会)が罠にかかる。優斗と畑野紗枝(上白石萌歌)が追いかけると、川にぶつかる。少年から「お母さん呼んでくるから、待ってて!」と懇願され、2人は川辺で待つことに。なかなか戻ってこないと様子を見に来た直哉が合流したところで少年が戻ってくる。少年に案内されてたどり着いた先は、村のような場所だったが、奥にはかなり古びた様子の6号車が。そこで直哉たちを出迎えたのは、6号車の乗客らしき人物たちだった――。

 2023年の世界を知る視聴者には、突然消失したのが5号車と6号車であることがわかっていたが、これまで6号車の人間たちは姿を見せなかった。5号車に比べて明らかに”文明的”な生活を送っている様子だが、6号車の車両の状態を見るかぎり、5号車の人間たちよりもずっとこの謎の山奥で暮らしてきたのだろうか。